代表取締役社長 市川 正資
6月11日から始まった世界一のスポーツの祭典、サッカー南アフリカW杯 も、スペインの優勝で1ヶ月間にわたる日程を終了しました。4年に一度の この時だけ、にわかサッカーファンになる私にとっても、今大会は非常に 魅力的でエキサイティングなイベントとなりました。
◇「チーム」という組織の持つ力
「サッカーはチーム・スポーツだ!」 岡田監督はデンマーク戦で勝利したあとの記者会見で、当たり前とも思 えることを嬉々として発言していました。彼にそう言わしめるほど、何をやっ てもうまくいかない厳しいチーム状態(本大会前のテストマッチ4連敗)で南 アに乗り込み、予想外の結果を出し続けた達成感がその発言の背景にあ るのでしょう。
選手たちの活躍ぶりに「チーム」という組織の不思議な力を感じさせられ ます。大会直前に変更したといわれるフォーメーションが功を奏したのか、 監督のマネジメント力が如何なく発揮されたのか、今大会ではこのような 点にフォーカスし、企業の組織論と重ねて論じられることも多いようです。 いったい快進撃のポイントはどこにあったのでしょうか。二人の指導者の マネジメントの観点から考察してみます。
◇ 前代表監督オシムと岡田監督のマネジメント手法
私の好きな指導者の一人に前日本代表監督イビチャ・オシムがいます。 彼は2006年に、Jリーグ・ジェフユナイテッドの監督から日本代表監督に就 任するも、2007年に脳梗塞で倒れ、残念ながら今大会の代表監督として 指揮を執ることなく、2009年1月に帰国しました。試合後の記者会見、雑 誌・新聞におけるコメントにおいて「オシム語」と言われるほどウィットに富 んだ哲学的な発言が特徴の一つでした。
彼は代表監督就任記者会見で、 「最初にやらなければならないことは、現在の日本代表を“日本化”させること」 と語っています。不得意なものは捨てて自分の長所にテーマを絞り込んで戦うこと、 選択と集中を実践し、オリジナリティを発揮することの大切さを説いています。 ロジカルな戦略を、イメージしやすい言葉で巧みに伝えたのです。
対して岡田監督は、J2の監督時代、 「選手の育つ環境をつくりあげること」 「チームにおける選手自身の存在感・役割を認識させること=承認すること、 コミュニケーションが大切」 と語っていました。選手の自主性を引き出す環境づくりに注力しているので す。そして今大会においては、「ベスト4進出」という無謀ながら高邁なビジ ョンを示しました。 これらは二人のマネジメントに対する考え方・行動を示すわずか一端でし かありませんが、その性格がよく現れていると思います。
今大会での日本代表チームの活躍ぶりは、オシムの選択と集中のチー ム育成が、岡田監督の自主性尊重とビジョン提示のマネジメントで結実 したと言えます。
◇ 強いチームとリーダーシップ
リーダーによって示された明快なビジョンがあるチームは、向かうべき方 向が定まり、それが武器になり、力が吹き込まれます。そしてリーダーは 最も効率的な方法をチームメンバーに示し、モチベーションを高めて、目 的達成に向かわせる。このプロセスがリーダーシップの本質ではないでし ょうか。
弊社では、①リーダーの自己(マネジメント・スタイル)理解促進 ②部下 のモチベーション育成に対する意識・スキル向上 を目的としたプログラム をご用意しております。
W杯熱戦の余韻が残るこの時に、自らの組織(チーム)とリーダーシップ のあり方について考察してみてはいかがでしょうか。
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